試験終了のアナウンス。まだ10問、答えを塗れていない。
とりあえず全部Bにマークして、終わる。この「塗り絵」を、毎回繰り返していませんか。
Part 7を最後まで解き切れない人は、とても多いです。そして、その原因はたいてい「英語力が足りないから」ではありません。1問に粘りすぎているからです。
この記事では、「20秒で見つからなければ後回しにする」という解き方を書きます。よく言われる「捨てる勇気」とは少し違います。捨てるのではなく、戻る前提で飛ばす。この違いが、塗り絵をなくすうえで大きな差になります。
なぜ塗り絵になるのか
答えはシンプルで、時間が足りないからです。
Part 7は54問を約55分で解きます。1問あたり1分。この配分を守れないと、後半で時間が尽きて、最後の10問が塗り絵になります。
では、なぜ時間が足りなくなるのか。多くの人は「読むのが遅いからだ」と思っています。だから速読の練習を始める。でも、速読が身につくには数ヶ月かかります。次の試験には間に合いません。
本当の原因は、別のところにあります。分からない問題を、引き延ばしているからです。
1問の答えが見つからない。もう一度本文を読む。まだ分からない。設問を読み直す。また本文に戻る。この往復で、1問に1分、2分、3分と溶けていきます。そして後ろの問題を解く時間がなくなる。
つまり、塗り絵は「読むのが遅い」から起きるのではなく、「1問に時間をかけすぎる」から起きています。
私が塗り絵になっていた頃
私自身、最初は1問に1分から数分かけていました。答えが見つからないと、見つかるまで本文を読み返していた。
その結果、どうなったか。後半のトリプルパッセージが丸々2セット、手つかずで終わりました。約10問です。読んでもいない問題に、適当にマークして終わる。これが塗り絵です。
振り返ると、前半で粘っていた問題は、粘って正解したものもあれば、結局間違えたものもありました。でも後半の10問は、粘った分だけ確実に失っていた。1問の正解のために、10問を読まずに終えていたわけです。
20秒で見つからなければ、後回しにする
塗り絵をなくす方法は、答えが見つからない問題から離れることです。
目安は20秒。設問を読んで本文を探しに行き、20秒くらい探しても答えの場所が見つからなければ、その問題から離れて次に進む。
ただし、心の中で20秒を数えるわけではありません。体感で「あ、見つからないな」と思ったら、それが20秒です。数字に意味があるのではなく、「粘りすぎない」という合図として使います。
離れるときにやることは2つだけです。
- とりあえずどれかをマークする(空欄にしない)
- 戻りやすいように、問題番号に印をつける
これで「捨てた」のではなく「後回しにした」状態になります。
捨てるのではなく、後回し。戻ると案外解ける
ここが、この記事で一番伝えたいことです。
「捨てる勇気」という言葉は、捨てた問題には戻らない前提で語られることが多いです。でも実際には、最後まで解き切ってから戻ると、解けることがかなりあります。
戻って解けやすいのは、こういう問題です。
- 文書が短めの問題
- 1回目で、答えが本文のどのあたりにあるかまで絞れていた問題
一度離れて、他の問題を解いて、戻ってくる。そうすると、頭がリセットされた状態で本文を読むので、1回目には見えなかった答えがすぐに見つかることがあります。1回目で「このあたり」まで絞れていれば、2回目はそこだけ読めばいい。
逆に、最初から後回しにしていい問題もあります。
- 本文のどこに答えがあるか、見当がつかない問題
- ダブル・トリプルパッセージで、複数の文書をまたいで探さないといけない問題
これらは、探すこと自体に時間がかかります。1回目で粘るより、他を全部解いてから戻ったほうが効率がいい。戻ってフレッシュな状態で見たら、案外すぐ見つかることもあります。
つまり、20秒ルールは「諦めるルール」ではなく「解く順番を変えるルール」です。分からない問題を最後に回しているだけで、解かないと決めているわけではありません。
時間配分を、体に入れる
後回しの判断とセットで必要なのが、時間配分の感覚です。
Part 7の基準は「1問1分」。3問セットなら3分、5問セットなら5分。この感覚を、頭ではなく体に入れる必要があります。
「頭で分かっている」と「時間に追われながらできる」は、まったく別のことです。本番の緊張の中で、時計を見ながらペースを保つ。これは、実際に時間を計って練習しないと身につきません。
やり方はシンプルです。1問ずつではなく、セット単位でタイマーを見ながら解く。「3問セットを3分で抜ける」という体感を、何度も繰り返して覚える。配分の決め方は、Part 7の時間配分と、リーディング75分全体の配分で詳しく書いています。
慣れると、後回しにする問題が減る
20秒ルールを使い続けると、あるとき変化が起きます。
問題を読んだ瞬間に、「このあたりに答えがありそうだ」と見当がつくようになる。選択肢を見た瞬間に、「これはよくあるひっかけのパターンだ」と気づくようになる。
Part 7の問題には、型があります。目的を問う問題、詳細を問う問題、NOT問題、意図問題。そして誤答の選択肢にも、決まった作り方があります。本文の単語をそのまま使った選択肢は罠、言い換えられた選択肢が正解。数字を1つずらした選択肢、条件をすり替えた選択肢。
こうしたパターンが見えてくると、探す時間が激減します。「全部を丁寧に読む」から「必要な場所を狙って読む」に変わる。
これは速読ではありません。予測力です。そして予測力は、量をこなせば必ず身につきます。才能ではなく、慣れです。
私が初めて受けた本番は830点でしたが、Part 7は後回しにした問題も含めて、最後まで届きました。塗り絵はゼロでした。
塗り絵がゼロになるかどうかは、その人の実力にもよります。でも、20秒で後回しにするだけで、「読んでいない問題」は確実に減ります。
よくある失敗
後回しにした問題に、すぐ戻ってしまう。次のセットを解く前に「やっぱり気になる」と戻ると、結局1回目と同じ状態で粘ることになります。戻るのは、最後まで解き終わってからです。
空欄のまま進んでしまう。戻る時間がなかったとき、空欄は確実に0点です。離れるときに必ずどれかをマークしておく。
印をつけ忘れて、どれを後回しにしたか分からなくなる。最後に戻ろうとして、問題番号を探すところから始めると、それだけで1分消えます。
20秒を厳密に測ろうとする。時計を見る時間がもったいないです。「見つからないな」と思ったら、それが合図です。
よくある質問
Q. 20秒ルールは、全問に適用するのですか?
A. 答えの場所を探しに行った問題だけです。設問を読んだ段階で答えの場所に見当がつく問題は、そのまま解きます。「探し始めたのに見つからない」状態になったときだけ、20秒を意識します。
Q. 後回しにした問題に戻る時間がなかったら?
A. その場合は、離れるときにマークした答えがそのまま残ります。空欄ではないので、正解している可能性はゼロではありません。そして、戻る時間がなかったとしても、粘って後半を読まずに終えるより、読んだ問題の数は確実に多くなっています。
Q. 後回しにする問題が多すぎて、戻りきれません
A. それは「20秒ルールの問題」ではなく「実力の問題」なので、ルールを変えても解決しません。練習で予測力を上げて、1回目で解ける問題を増やすのが唯一の方法です。
Q. ダブル・トリプルパッセージは、最初から後回しにしていいですか?
A. セットごと後回しにする必要はありません。セットの中で、複数の文書をまたいで探す問題だけを後回しにして、単独の文書で答えが出る問題は先に解きます。詳しくはトリプルパッセージの解き方で書いています。
まとめ
- 塗り絵の原因は「読むのが遅い」ではなく「1問に粘りすぎる」こと
- 20秒で見つからなければ、マークして印をつけ、後回しにする
- 捨てるのではなく、最後まで解いてから戻る。戻ると案外解ける
- 20秒は測る数字ではなく、「粘りすぎない」ための合図
- 慣れると、答えの場所とひっかけのパターンが予測できるようになり、後回しにする問題が減る
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drillahでは、本番と同じ構成のPart 7を無料で公開しています。
- セットごとにタイマー付き。時間を計って解けます
- 本番形式のフル模試(54問・55分)で、通しの時間感覚をつかめます
- 解説は「正解は(B)です」で終わらせていません。正解だけ分かっても、次は解けないからです。私がほしかったのは、正解ではなく「どこを見て決めたか」でした。本文に赤ペンで、どこを見て、どのひっかけを切って、どう決めたかを書き込んでいます
この記事に書いた「20秒で後回し」を、実際に試してみてください。見つからなかったら、印をつけて次へ。最後まで解いてから戻る。それだけで、読まずに終わる問題がなくなります。登録は不要です。すべて無料で解けます。