Part 7が最後まで解き終わらない。塗り絵で終わる。焦って読み飛ばして、結局ミスする。

この悩みを持つ人のほとんどが、「自分は英文を読むのが遅い」と思っています。でも、原因はたいてい速度ではありません。時間の使い方が決まっていないことです。

読むスピードを上げるには数ヶ月かかります。時間配分を変えるのは、次の1回から効きます。この記事では、Part 7を最後まで解き切るための具体的な時間配分と、時間が溶ける瞬間の対処法を書きます。

前提:リーディング75分の配分

Part 7に何分残せるかは、Part 5と6をどう処理したかで決まります。逆に言えば、Part 7の時間不足はPart 5で作られていることが多い。まず全体の設計から。

パート問題数時間
Part 5(短文穴埋め)30問10分
Part 6(長文穴埋め)16問8分
Part 7(読解)54問55分
見直し2分

このリーディング75分をどう逆算して配分するか(Part 5・6を含めた全体の設計)は、リーディング75分の時間配分で詳しく解説しています。Part 7に何分残すかは、ここで決まります。

Part 5に10分。1問20秒です。これを聞いて「無理だ」と思ったなら、そこが最初のボトルネックです。

Part 5は、知っているか知らないかで決まる問題が大半です。文法問題は選択肢を見た瞬間に「何が問われているか」が分かる。語彙問題は、単語を知らなければ何分粘っても解けません。

つまりPart 5で悩む時間は、ほぼ全部が無駄です。20秒で決まらなければ、勘でマークして次へ進む。ここで捻出した時間が、そのままPart 7の余裕になります。

Part 6は1問30秒。文挿入問題だけは前後の流れを見る必要があるので、ここに少し厚めに配分します。

Part 7の基準は「1問1分」

Part 7は54問を55分。単純に割ると1問1分です。この数字を、セット単位に落とし込みます。Part 7は3〜5問がひとつの文書(または文書セット)にぶら下がっている構造なので、「問題数×1分」が、そのセットに使える時間になります。

問題数標準ペース文書タイプ
2問2分シングル(広告、通知など)
3問3分シングル(メール、記事など)
4問4分シングル(長めの記事)
5問5分ダブル/トリプル

ここまでは、どの参考書にも書いてあります。大事なのはこの先です。

実際は、前半で「貯金」して後半で使う

私が本番で使っていたペースは、標準よりも前半が速いものでした。

3問セットを2分で抜ければ、標準比で1分の貯金ができます。前半のシングルパッセージには3問セットが並ぶので、ここで数分の余裕が作れる。

そしてその貯金を、後半のトリプルパッセージで使い切ります。トリプルは3つの文書を横断して情報を照合する問題が必ず含まれていて、ここだけは時間をかけないと落とします。標準の5分では足りない。6分、場合によっては7分かけていい。

Part 7は均等配分では解き切れません。前半で削り、後半に注ぎ込む。これが実際の戦い方です。もちろん、いきなり3問2分は難しい。まずは「問題数×1分」を目標にして、慣れてきたらシングルパッセージだけ速度を上げてください。

3つの原則

時間配分を守るために、解き方そのものを固定します。

原則1:設問を先に読む

本文を読む前に、その文書にぶら下がっている設問を全部読みます。選択肢は読みません。設問文だけです。

「何を探すのか」を持って本文に入るのと、なんとなく読み始めるのとでは、読む速度が変わります。同じ文字数でも、目的があると必要な箇所で目が止まる。

何問を先読みするか(短ければ全部・長ければ2問ずつ)、そしてなぜ選択肢だけは本文の前に読まないのかは、Part 7の解く順番|設問を先に読む。ただし選択肢は読まないで詳しく解説しています。

原則2:本文は1回だけ通す

設問を頭に入れたら、本文を頭から1回読みます。そして読みながら答えの根拠を見つけたら、その場で設問に戻って解答します。読み終わってから設問に取りかかるのではありません。読みながら、根拠が出た瞬間に処理する。

Part 7の設問は、多くの場合、本文の順番と対応しています。設問1の根拠は前半、設問3の根拠は後半にあることが多い。だから1回の通読で、上から順に処理していけます。

原則3:戻らない

これが一番難しく、一番効きます。次の「3つの罠」で、なぜ戻ってはいけないのかを具体的に見ていきます。

時間を溶かす3つの罠

罠1:選択肢を全部読む

4つの選択肢を丁寧に読み比べていませんか。本文に根拠を見つけた時点で、「これを言い換えている選択肢はどれか」を探しに行くのが正しい動きです。選択肢を吟味するのではなく、答えを持って選択肢を照合する。

読み比べを始めた瞬間、出題者の作った「もっともらしい誤答」に引き込まれます。

罠2:同義語で迷う

正解の選択肢は、本文の表現をそのまま使いません。必ず言い換えられています。だから「本文と少し違うな」と感じるのは正常です。むしろ本文と同じ単語が並んでいる選択肢は、誤答であることが多い

「意味として同じことを言っているか」だけを見てください。単語の一致を探すと、罠にはまります。

罠3:答えが見つからず、本文と設問を往復する

これがPart 7で時間が溶ける、最大の原因です。読んだけれど、答えの根拠が見つからない。もう一度本文を読む。まだ分からない。設問を読み直す。また本文に戻る。この往復で、1問に5分、6分と溶けていきます。そして最後まで解き切れない。

私自身、本番で一番時間を失ったのがこの瞬間でした。対策はひとつです。20秒探して見つからなければ、捨ててください。適当にマークして、次のセットに進む。1問を諦めることで、後ろの5問を守れます。

冷たい話に聞こえるかもしれませんが、計算すれば明らかです。1問に5分かけて正解しても、その5分があれば5問解けた。往復は、1問取るために5問捨てる行為です。

そして重要なのは、往復してもたいてい正解しないということ。1回目の通読で見つからなかった根拠は、2回目でも見つからないことが多い。見落としではなく、そもそも設問の解釈を間違えているからです。「見つからない」と感じたら、それは撤退の合図です。

時間配分は、練習でしか身につかない

ここまで読んで「なるほど」と思っても、次の模試で同じことが起きます。知っていることと、時間に追われながら実行できることは別だからです。

必要なのは、時間を計って解く練習です。それも、1問ずつではなくセット単位で、タイマーを見ながら。「3問セットを3分で抜ける」という感覚は、実際に何度も計って初めて身体に入ります。

そして解いた後には、なぜその選択肢が正解なのか、本文のどこを見て決めたのかを確認する必要があります。答え合わせだけして丸をつけても、解き方は変わりません。

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この記事で書いた「1問1分」「設問先読み」「20秒で撤退」を、実際に試してみてください。

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